“物語が身体に染み渡っていく。それが社会を作っていく”~吉川英治文学新人賞贈呈式スピーチに追加して~

【文字おこし(加藤シゲアキ)】 2021.05.02 SORASHIGEBOOKより

” 色々な物語が人を癒したり救ったりするし、喜びってものがある訳ですよ物語には。

人を震わせるカがあるってのはスピーチでも言ったんですけど、

特に映画やドラマ舞台とは違って小説はどうなのかと言うと、やっぱり白と黒だけの記号ですよね、文字って言うのは。その記号の先に色々な風景や景色や光景を思い浮かべる訳ですよ。それぞれが読者がその想像って言うのは絶対に一緒じゃないはずなんですよね。同じ景色は想像出来ないと思うんですよ。その中で物語が自分のものになっていくんですよ。

小説や読書体験っていうのはやっぱり映画とかっていうのは飛び込む様な感覚があると思うんだけど勿論享受する感覚もあるんだけど、

読書っていうのはやっぱり能動的に凄く入っていく感覚がより深いっていうか、没入してそこにいる自分のものになっていく、物語が身体に染み渡っていく感覚っていうのが殊更深いんではないかと言う事で、やっぱりそれが人を作っていくしそれがコミュニティを作っていくし社会を作っていくだろうって。
やっぱり本の力というものが世界を作っているのではないか

 

自分は、それを作る側として今選択したという事は、その責任その物語を作る責任って与える影響力を今一度自覚して、今後も作家生活続けていきたいなという事を伝えたかった。"

 

(加藤シゲアキ 2021.05.02 SORASHIGEBOOKより)

 

 

 

 

 

 

 

2021年3月2日、

NEWSの加藤シゲアキさんが『オルタネート』で第42回吉川英治文学新人賞を受賞しました。 

加藤シゲアキ 主な候補歴・受賞歴

 

 

直木賞本屋大賞にもノミネートするという怒涛の快進撃を続けていた本作。アイドルがノミネート、そして受賞するのは賞の創設以降初めてのことであり、歴史的快挙が成されました。(*゚▽゚ノノ゙☆

 

吉川英治文学新人賞受賞のことば
https://www.shinchosha.co.jp/alternate/#message

 初めて小説を書いたのは、2011年の2月から3月でした。あの頃、芸能活動が思い通りにいかず、それを他人のせいにばかりしており、そんな自分に嫌気が差して、なんでもいいから成し遂げなければと・・・」

 


文学賞に明るくない(私みたいな)人間は、吉川英治文学新人賞ってナニ?って思いますよね。詳しくはぜひコチラをご覧頂きたいのですが↓

吉川英治文学新人賞 善行を続けているのに世に知られていない。うん、これは吉川英治文化賞を授けたい。: 直木賞のすべて 余聞と余分

 

なるほど、めっちゃ嬉しい(笑)

幅広いエンタメ性を受け入れて「優れたもの」を選考する、なんだか『オルタネート』に似合う賞だなと素人は感じました。(個人的には「敢えてイベント先行じゃない」っていうのもポイントだった)

 詳しい選評と受賞者インタビュー、受賞のことば は「小説現代2021年5&6月合併号」に掲載されていまして、こちら加藤さんのお顔も素晴らしいので保存版です( )

小説現代 2021年 5・6月合併号 [雑誌] | |本 | 通販 | Amazon

 

大沢在昌さんがタイプライターズ*²で仰ったとおり、全体通して彼の表現の秀逸さが高く評価されています。個人的にはこの選評が好きです(*゚▽゚*)↓

 

「小説の構造そのものは必ずしも端正なものではないのだが、散見する瑞々しい表現や伸びやかな筆致は、その歪つさを退けて余りあるものである。」(京極夏彦)

 

 

 

 

 

 

で(本題)、その贈呈式。

東京 新国立劇場 中劇場で公演中の主演舞台「モダン・ボーイズ」の昼公演後すぐに着替えて駆けつけて登壇という、

最強総合エンターテインメントアイドルなわけですが()

 

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アレキサンダーマックイーン、黒シャツ黒ネクタイ(*/ω\*)キャー!!

www.alexandermcqueen.com



 

 

そのスピーチでは、自身の舞台と作家としての活動を重ねて「人が物語を求める」ことについて言及。

 

news.mynavi.jp

 

 

小説のみならず、アイドルとして俳優としてクリエイターとしても、

物語を紡ぎ伝え続ける「加藤シゲアキ」ならではの内容です。

 

 

しかし、そこでは話し足りなかったことを後日ラジオ(2021.05.02 SORASHIGEBOOK)で仰ってましたね。
できればこっちを深めに話して欲しかったし、教育現場でも大事なことなんではないかと思う内容だったので記録しておきたくなったわけです。

 

 

 

 

物語が消費物になってしまった今こそ、

 

“物語が身体に染み渡っていく。それが社会を作っていく”

 

この言葉がもっと広く伝わって欲しいなぁ。

 

 

ことあと、本作は吉川英治文学新人賞の他に高校生直木賞も受賞しました。この組み合わせも素晴らしい。著者は「若い世代に読書の楽しみを知ってもらいたいと思って書いた作品です・・・自分が、若い世代が純粋に楽しめる作品を書き、小説を好きになってもらおうと考え、このような高校生の群像劇を執筆するに至りました。自分の願いが叶い、実際に高校生の方々に届いたのであれば、これ以上に幸せなことはありません。」とコメント。本作にふさわしい賞ですね。

【速報】第8回「高校生直木賞」受賞作決定のお知らせ 高校生たちが選ぶ「今年の1冊」――熱い議論の結果は? | ニュース - 本の話

 

 

 

加藤さんは、今後も当然のように各賞の候補に名が挙がるだろうと推察される作家です。自分で知名度の殻を破って大きくなっていく感じ、そして己は何者かと問われた時「ジャニーズだ」と胸を張って答える姿、本当にカッコイイな。今後の活躍にも勝手に期待させていただいてます。ꉂꉂ( ˊᵕˋ )

 

 

 

 

 

 参考

 

youtu.be

www.shinchosha.co.jp

 *2

www.fujitv.co.jp

 

加藤シゲアキ 主な候補歴・受賞歴

[候補] 第164回直木三十五賞(令和2年/2020年下期)『オルタネート』

[受賞]第42回吉川英治文学新人賞(令和2年/2020年度)『オルタネート』

[8位]第18回2021年本屋大賞(令和3年/2021年)『オルタネート』

[受賞]第8回高校生直木賞(令和3年/2021年)『オルタネート』